性別年齢問わず様々な人々が利用する公共施設では、誰が見てもわかりやすい案内や標識を使う必要がります。今回は色に注目したユニバーサルデザインとは何か、ユニバーサルデザインを考える際に気を付けるべき点とは何かについてまとめていきます。
ユニバーサルデザインとは?
ユニバーサルデザインとは、社会福祉法人日本視覚障害者団体連合のサイトでは以下のように説明されています。
国籍や年齢、障害の有無にかかわらず、すべての人が快適に利用できるように製品や建造物、生活空間などをデザインすることです。
ユニバーサルデザインは色だけではなく、製品そのものの形や質感、生活空間全てのデザインを対象としています。
色のユニバーサルデザインというのは、そのデザインの中でも「色」を中心として考えたデザインです。使う色の1色、組み合わせだけでも使いやすさが大きく変わります。では、どんな色が人に優しいユニバーサルデザインとなるのでしょうか。
以下で、色の特性に注目しながら見やすい色と何かを解説していきます。
ユニバーサルデザインで考慮すべき点
さて、ユニバーサルデザインを考慮してデザインをする際、実際にはどのような工夫が必要でしょうか。色・色以外・文字の3つの要素に着目して、工夫する点をまとめていきます。
色
まずは色の工夫です。誰もが見やすい色とは何か、見分けにくい色は何かを考える必要があります。色覚特性にとわず、似たような色合いは誰もが見分けにくいと感じます。見えやすい色にするためには、以下の3つの方法があげられます。
①明度差・色合いに強弱をつける
②濃い青色と黒、赤色と紫見分けにくい色を一緒に使わない
③セパレーションを付ける
同じ色合いでも、明度差、色合いに強弱をつけることで、見やすいデザインとなります。
見分けにくい色を使わないことは基本ですが、もし見分けにくい色を使う場合はセパレーションの利用をお勧めします。セパレーションとは、文字や図形を別の色で囲う方法です。
色以外の要素
①大きさを変える
文章の中で協調させたい文字に色を付けるだけではなく、太くしたり、サイズを大きくしたりする。そうすることで、色覚異常のある人でも重要な部分が伝わりやすくなります。
②形を変える
図形やグラフを見分けるため、色での区別だけではなく形でも変化を見せることで情報が伝わりやすくなります。
以下の図では、グラフの色が3種類あります。しかし、すべて青系の似たような色のため見分けが付きにくくなっています。三つのグラフのマーカーを、それぞれ別の形に置き換えることで区別をしやすくすることが出来ます。
以下の円グラフでは、グラフを色でわけるのではなく、模様に変化をつけています。色覚異常のある人にとって、円グラフの色を見分けるのは困難でしょう。色ではなく、模様で分けることで、よりフラフの区切りがわかりやすく見やすいグラフとなります。
文字
書類を多く取り扱う場所では、説明したり見分けやすくするために、紙自体に色がついている場合があります。この時に色覚異常のある方は、黄色の紙と説明されても、どれがその紙なのか一目でわからないでしょう。このような時の対策としてできることは、紙に文字で色を書いておくことです。色は人それぞれ見え方は違いますが、単語は皆が共通して同じ意味としてとらえることが出来ます。色で区別するものには、その色がついている物自体に、文字で色を書いておくことで対策できます。
まとめ
- 明度差・色合いに強弱をつける
- 濃い青色と黒、赤色と紫見分けにくい色を一緒に使わない
- セパレーションを付ける
- 大きくする
- 線を太くする
- 色の区別だけではなく、形、模様で区別をする
いかがでしたでしょうか。今回まとめた色のユニバーサルデザインについては色彩検定2級の出題範囲になります。より見やすいデザインにするにはどのようにすべきか、しっかり押さえておきましょう。これからもデザインやマーケティングについて勉強したことを共有していきます。一緒に勉強頑張りましょう。