色は人によって見え方が違うというのをご存知でしょうか。人によって認知しにくい色だったり、認識しずらい色の組み合わせがあったりします。それは、遺伝だったり病気やケガだったりと理由は様々です。このように、色の識別に個人差がある事を色覚特製といいます。
色の特性
色を工夫することで、モノを区別したり、意図的に注意を向けさせることもできます。色には大きく分けて二つの働きがあります。状況や状態を伝える機能的な効果と印象やイメージを伝える情緒的な効果です。
意図的に注意をむけさせたあり、色の印象を強めるには色の特性について知る必要があります。以下で、5つ特性について解説します。
誘目性
誘目性とは、周りに注意を向けていない状態で、どれだけ人の目を集めることができるかの度合いのことを言います。街中で見かけるような道路標識は、誘目性が高いと言えます。逆に、注目されにくいモノは誘目性が低いと言えます。
白い背景に文字を書くとき、一番誘目性が高い色は「赤」とされています。背景が黒い場合は、「黄」が最も誘目性が高いとされています。誘目性は、無彩色より有彩色の方が高いと言われていまます。
背景の色に影響を受けますが、寒色系より暖色系のほうが誘目性が高くなります。
- 誘目性とは、注目していない状態から、どれだけ注目されやすいかの度合い
- 白背景:赤文字 が誘目性が一番高い
- 黒背景:黄文字 が誘目性が一番高い
- 無彩色<有彩色
- 誘目性は、背景によって変わる
視認性
視認性とは、すでに注目した状態の中で探し物をしたときの発見しやすさの度合いのことを言います。視認性が強いモノの例として、「駅の案内」があげられます。駅では、沢山の人が乗り換えや改札の場所を確認するのに頭上の案内看板を頼りにします。
駅の案内看板に注目してみると、ある法則があることに気が付く方もいるかもしれません。実は、駅の出口の案内は黄色が多いんです。これは、偶然ではなくJIS Z 9103(日本工業規格 )で決められているんです。
附属書JB (参考) 安全色及び対比色の意味,並びに使用箇所及び使用例に、「黄色」は「駅舎,改札口,ホームなどの出口表示 」を明示すると記載されている。
出典:JIS Z9103 附属書 JB(参考) 安全色及び対比色の意味,並びに使用箇所及び使用例
視認性を高くする方法は、背景との変化を大きくすることです。特に、背景色と文字の明度差が高いほど大きな効果を得られます。
- 視認性とは、すでに注目した状態の中で探し物をしたときの発見しやすさの度合い
- 背景色と文字の明度差が高いほど大きな効果大
明視性・可読性
明視性と可読性は、どちらも対象が発見された時の意味の理解のしやすさの度合いの事をいいます。その対象物が図形の場合を明視性、対象が文字や数字の場合を可読性と言います。
識別性
識別性とは、複数ある対象の識別のしやすさのことです。対象が似たような形ばかりで、認識がしずらい場合に色を変えることで分かりやすくすることができます。身近ものでは、路線図が例としてあげられます。
まとめ
- 誘目性とは、注目していない状態から、どれだけ注目されやすいかの度合い
- 誘目性は最も強いのは、白背景では赤文字、黒背景では黄文字
- 視認性とは、すでに注目した状態の中で探し物をしたときの発見しやすさの度合い
- 明視性と可読性は、発見されてからの理解のしやすさ
- 明視性は対象が絵・図
- 可読性は対象が文字
- 識別性とは、複数ある対象の識別のしやすさ
いかがでしたでしょうか。以上、5つの色特性についてご説明しました。今回の内容は色彩検定2級の範囲になっています。色彩検定を受ける方だけではなく、デザインを勉強中の方にも役に立つ知識だと思います。これからも色彩検定やデザインに役立つ内容を発信してきたいと思います。これからも一緒に勉強頑張りましょう。